プレミアム食器洗浄機でのTOXクリンチング

V-ZUG AGの開発者は、食器洗浄機、コンロ、洗濯機を最高レベルの品質に引き上げる方法を知っています。このスイスのメーカーの製品は、一般家庭だけでなく、ケータリング分野でも使用されており、革新的な技術を特徴としています。1913年、Verzinkerei Zug AGは、家庭用、農業用、建設産業用の板金製品も製造する、手作業による亜鉛メッキ会社として設立されました。当初、同社はランドリールーム用の電化製品に重点を置き、設立から7年後に最初の手押しドラム式洗濯機を発売しました。最初の小型洗濯機は1949年に発売されました。その後、洗濯機、タンブル乾燥機、食器洗い機などの製品ラインナップを増やしていきました。1981年、V-ZUG AGは 現在の社名になりました。その間に、かつての下請け製造業者は、家庭用電化製品のプレミアムサプライヤーとして、またスイスのマーケットリーダーとして発展してきました。

2020年初頭、V-ZUGはオプティリフトを搭載した新しいアドラ食器洗浄機ラインを発表しました。これは人間工学に基づいた機能で、下の食器かごを持ち上げます。これにより、お皿や食器類を便利に分類し、後で再び取り出すことができます。この引き出しとエルゴプラスのカトラリー引き出しのガイドレールと機構に対応するため、ステンレス鋼板を食器洗浄機の筐体内に固定する必要がありました。

TOX^®のクリンチングプロセスはこの作業に最適です。リベットや溶接とは対照的に、表面と材料構造はそのままなので密閉されます。「当社にとって最も効率的なソリューションです」と、V-ZUGの食器洗い機設計責任者であるPatrick Bon氏は強調します。「数年前からTOX^® Clinchツールを 使用していますが、TOX^® の完全なシステムはまだ導入していませんでした。

私たちの顧客は最高品質を期待しています。ですから、その結果が視覚的にも技術的にも完璧でなければならないことは明らかです」とパトリック・ボンは強調します。

TOX^®は、1回の操作で2つのケーシング壁をクリンチできるシステムコンセプトを開発しました。TOX^®接合ガン／TE-CMは、電動サーボドライブTOX^®エレクトリックドライブを搭載したコンパクト設計のガンです。Cフレームは最大出力80kN。ツール間の最大開口部は73mmで、このプロジェクトには十分です。EPMRプレスドライブはダイ型側に設置され、公称80kNの力で作動します。センサーが荷重と変位を監視します。高精度の荷重センサーの精度は、公称出力値の±1.0パーセントです。ドライブのピストンは、秒測最大200mmで非常にダイナミックに動作します。各クリンチングポイントが接合される前に、部品表面はウェット状態になります。これにより摩擦が減少し、ツールとシートメタル表面が保護されます。TOX^®は、この目的の為にシステムにスプレー装置を追加しました。

作業台の上に3枚のシートを置いた後、テンプレートのような部品ホルダーがあるため、取り違えや間違った組み立ては起こりません。作業者はTOX^®STEシングルハンド・コントロールにより、ストロークを制御します。ハウジングは所定の位置に固定され、クリンチ工程が開始されます。ガンはX-Y軸上を移動し、2つの側壁部品をそれぞれ15ポイントのTOX^® ポイントで次々に加工します。

2つのプログラム：「これにより、カトラリー引き出しのコンフォートスライド機能付きと機能なしの食器洗浄機用ハウジングを1つのシステムで生産することができます」と、システムプランニング担当プロジェクトマネージャーのクリストフ・フェスラー氏は説明します。工程が完了すると、制御システムが自動的に部品クランプを開きます。その後、オペレーターはハウジングを取り外し、ワークテーブルを再装填し、180度回転させたバットを元の位置に戻して、2つ目の側壁の工程を繰り返します。ユーザーは、タッチスクリーンで動作シーケンスと動作モードを作成し、評価結果を見ることができます。スクリーンはイーサネット接続でドライブのコントローラに接続されています。

エラーや怪我を防止するために、TOX^®は いくつかの安全機能を備えています。例えばセンサーが、必要な部品が挿入されているか、バットが所定の位置に置かれているかをチェックします。システムは前面からのみアクセス可能で、プロセス中のアクセスはセイフティライトカーテンで監視されます。他の側面はポリカーボネートパネルで密閉されています。これにより、作業員は接合工程を安全に見守ることができます。

そして、V-ZUGは柔軟に対応します。後日、制御システムを拡張して、追加のバットバリエーションに対応することができます。また、すべての構成治具は交換可能な部品として設計されており、後日後付けすることができます。

システムはすぐに使用できる状態で納入／設置され、1次電源と圧縮空気を接続するだけで済みました。「すべてが順調に進みました」とフェスラー 氏は振り返ります。